冥界武侠譚シリーズ

しばらく「長安異神伝」ばかりやってたので、久々に別シリーズの紹介を手掛けてみることにしました。
ドキドキ。

とはいえ、やはりこちらも封神繋がりで出会った本でして。で、繋がるポイントも「長安異神伝」と同じ…次郎真君さま、なんですよね…菱の趣味、露骨に分かり易い。
でも、主役ではないです。主役は次郎真君(…なんか一文字違いなのに印象が…菱は「二郎真君」で通しているから…でもここでは原文に従います)の異母弟・華陽さまでございます。
なもんで、この作品の存在を知ってから(第1巻の発売時に「あ、中国っぽい」と思ってちらっと見ていた/97.2〜3?)、↑の事実に気が付くまで(97.7.13。何故か正確に記憶されている)にかなりの時間を無駄にしてしまいましたのよ。
でも気が付けて良かった。
読むと分かるんですよ、このネタ以外にも、ちょこちょこと知ってる話・人物が見え隠れしてる!!

全8巻ですが、基本的に1冊ごとに完結しています。前半4冊なら順不同で読んでも平気かも。
でも、後半は…一つ一つの話が繋がって、大きな一つの物語になっており、更に前半のエピソードも絡めつつ、シリーズ全体をまとめていく形になっているので、ここは順番に読んだほうがいいはずです。

メインの登場人物紹介をば。

華陽(かよう)→次郎真君の異母弟。女性と見紛うばかりの麗しい容姿と、天仙レベルの道術と、明晰な頭脳とを併せ持つ地仙ながら、自堕落で女好きで女装趣味という一面も持つのです。

(ぶち)→華陽に仕える神犬。普段は少年の姿をしている。ワガママ・イジワルなご主人様に振りまわされつつ頑張る、この子のけなげさといったら、もう…。

耀東(ようとう)→冥界で華陽・斑が出会った、前世の記憶を失っている武人。額のハチマキと水晶の大剣がトレードマーク。香雪(=華陽の女装時の名前。気付いてない)に惚れちゃってる。

それぞれお互いにない魅力を持った三人組で、嫌いなキャラはないですが、敢えて順を付けるならば、一番は斑ですね。一生懸命さが、かわいくて仕方ないv
耀東さんの、単細胞もいいとこなお馬鹿っぷり(誉めてるんです! 一応…)&不思議な強さも、華陽さまの策士なとこや、イジワルしてても斑のことを大切に思ってるんだなあーと思えるとことかが、すごくグゥvです。

1話限り(基本的に)の登場人物が各巻にいるんですが、その中には、中国で有名なお話の登場人物も結構まぎれております。
菱が気付いた分だと、包丞さま(三侠五義etc.)・白鶴童子(封神演義etc.)といった所。
ただ彼ら、出典元と全くキャラクターが変わってしまっていると思われるので、ファンの方は要注意です。
白鶴、封神のイメージぶち壊し。
「三侠五義」の方はまだ読んだことないんですが、この間購入した井上祐美子さんの「桃花源奇譚」に包拯さまが出てきまして…「あぁあ、ホントはこんな人だったのーっ!?」とギャップの大きさに苦しむことといったらない。
あと、意図的にここに書かない(ネタバレになるので書けない)人物も数名おります。
ヒント:歴史上の人物です。

…で、次郎真君さまのことですが。
恐らく菱の知っている小説・マンガの二郎さま(「封神」楊ゼン・「長安異神伝」二郎真君etc.)の中で、一番真面目な役かなーと思います。
「玉帝の命に、ちゃんと従っている二郎さま」というのが、何とも珍しい…のですが、でもやっぱり二郎さまでして、基本的な性格は変わらず。といった感じ。
メインの登場人物ではないので、本人が出てくることは割と少なめですが、そこそこオイシイ役どころかな?

どんな作品でも、基本となるストーリーの流れって「起・承・転・結」ですけど、この冥界武侠譚の場合「起・承・転転転…・結」みたいな。最後の最後まで「転」があるので、読んでてホントに気が抜けない。
最終巻なんかもうー…あ、言ったらマズイわ。
挿絵・カバーイラストは、紗月 輪さん。
すごいキレイですv カラー表紙の色使いが菱好みでして、更に良いvv 最終巻が一番好きかな。光の中にいるみたいで。
「受胎狂詩」からは、あとがきに紗月さんのオマケマンガが付くようになって楽しみUP!!

この後は、作品別に紹介していきます。

 
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UPDATE→2002.4.7