サクラテツの哲学者たち。


連載が終わってしまってから、やたらと「サクラテツ」登場人物の名を書店で見かけることに気付く。
哲学のコーナーなんか見てると、タイトルがまんま「ニーチェ」だったり「ハイデガー」だったり。
連載当時は「あぁあ、西洋史はダメなのに菱〜」と嘆いていたもんですが、実は彼(彼女)たちは哲学・倫理関係の人物その他だったのか…と、割と最近(遅ッ)判明致しました。

となったらやっぱし、実際はどんな人物であったのか知りたいと思いません??

そんなわけで対応表を作ろーかな、と思い立ち。
取り敢えずは登場人物=元になったと(菱が勝手に)思う実在の人物etc.で繋いで、後から辞書や歴史資料(つーても高校の世界史資料集…)やいろんな情報源を駆使して一人一人のことを調べてみたいかも…。

  登場人物(基本的に登場順) 実在の人物
01 桜 鉄(さくら てつ) 主人公 ソクラテス(Sokrates)
02 出井 富良兎(いでい ふらと) テツの幼なじみ プラトン(Platon)
03 アリス 未来の地球女王 アリストテレス(Aristoteles)
04 ファイヤァーベント 宇宙海賊 ?
05 ジークムント 地底帝国皇帝 ?
06 ニーチェ 魔界の王子 ニーチェ(Nietzsche)
07 アウグスティヌス 神の国の怪獣 アウグスティヌス(Augustinus)
08 ショーベンハウアー 尻の穴の神様 ショーペンハウアー(Schopenhauer)
09 デューイ 日本国大統領 デューイ(Dewey)
10 ゾロアスター 魔界ラッコ ゾロアスター(Zoroaster)
11 出井 紀世能(いでい きせの) テツの幼なじみ/フラトの双子の兄 クセノファネス(Xenophanes)
12 羅漢(らかん) 鏡の国の住人 ラカン(Lacan)
13 風吼(ふーこー) 夢の創造主 フーコー(Foucault)
14 ウィトゲンシュタイン 漫画の妖精No.08 ウィトゲンシュタイン(Wittgenstein)
15 ハイデガー 漫画神 ハイデガー(Heidegger)
16 桜 久散(さくら くさん) テツの姉(?) クサンティッペ(Xanthippe)
哲学者じゃないんで別枠。
17 桜 鉄瓶(さくら てっぺい) テツの弟(?)

 

  その他  
18 宛内区 「サクラテツ」舞台の地 アテナイ(Athenai)
19 アカデメイア 宛内高等学校 英語名の一部 アカデメイア(Akademeias)
20 プシュケー砲 世界樹の主砲 プシュケ(psykhe)
21 プリンキピアマテマティカ号 宇宙海賊ファイヤァーベントの宇宙船 プリンキピア マテマティカ
(Principia Mathematica)
22 プラグマティズム 日本国自衛軍(コミックスでは自衛”隊”)の旗艦 プラグマティズム(pragmatism)

以降はとりあえず、菱の愛用(笑)講談社日本語大辞典(1989)より、抜粋。
抜けているのはまだ元ネタ不明なキャラetc.です〜。
他にも「このキャラはこの人物じゃないか?」というのがありましたら、新規でも訂正でも教えてくださると幸い。倫理学を全くやらなかった人間には少々辛いものがある…。


01:ソクラテス(Sokrates) [B.C.469 or470〜B.C.399]

古代ギリシアの哲学者。アテネで独特の対話術により人々に無知を自覚させ、道徳意識の改革に努めたが、青年を惑わすものとして自決させられた。
フィロソフィア(=愛知)としての哲学の祖とされ、弟子プラトンがその教説を叙述。


02:プラトン(Platon) [B.C.427〜B.C.347]

古代ギリシアの哲学者。ソクラテスの弟子。アテネに学園アカデメイアを設立。ソクラテスの哲学を継承・発展させて観念論哲学を創始。霊肉二元論に立って霊魂の不滅性を主張した。
永遠不変の原理をイデアと名付け、これを真に不滅の実在とするイデア論を展開。またイデア界を人間の理想とし、これに現実世界を近づけることを哲学者の任務とした。

著書→『ソクラテスの弁明』『饗宴』など、ソクラテスを主人公とした対話篇を多く著した。


03:アリストテレス(Aristoteles) [B.C.384〜B.C.322]

古代ギリシアの哲学者。逍遥学派の祖。プラトンの弟子で、アレクサンドロス大王の若き日の家庭教師。アテネに学園リュケイオンを設立、哲学をはじめ諸学の体系を築いた。

著書→『形而上学』『政治学』『詩学』など


06:ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)[1844〜1900]

ドイツの哲学者。実存主義の先駆者で、「生の哲学」の典型的な主唱者の一人。神の死を宣告し、生の根底に権力への意志をおき、理想像としての超人を説いた。

著書→『ツァラトゥストラはかく語りき』『権力への意志』など


07:アウグスティヌス(Aurelius Augustinus)[354〜430]

初期キリスト教の教父。北アフリカ生まれ。マニ教・新プラトン主義などを経てキリスト教に回心。ヒッポの司教。新プラトン派の哲学とキリスト教を総合し、中世思想の基礎を作った。聖オーガスチン。

著書→『告白』『神の国』など


08:ショーペンハウアー(Arthur Schopenhauer)[1788〜1860]

ドイツの哲学者。世界は表象であり、「盲目的な生存の意志」の客体化であるという立場から、人生が苦で、悲劇であるという厭世哲学を説いた。ショーペンハウエル。

著書→『意志と表象としての世界』など


09:デューイ(John Dewey)[1859〜1952]

アメリカの哲学者・教育学者。実験主義の立場からプラグマティズムの理論を集大成。教育学では生産活動を基礎とする労作学校を主張・実施。

著書→『民主主義と教育』など


11:クセノファネス(Xenophanes)[生没年未詳]

紀元前6世紀ごろのギリシアの哲学者・詩人。イオニア生まれ。擬人的神観を批判し、不変不動の唯一神を説いた。


12:ラカン(Jaques Lacan)[1901〜1981]

フランスの精神分析学者。フロイト主義者として出発。犯罪学・言語学・哲学の諸分野にわたり活躍。構造主義の理論家。

著書→『エクリ』など


13:フーコー(Michel Foucault)[1926〜1984]

フランスの哲学者。コレージュ-ド-フランス教授。構造主義の代表的な思想家。

著書→『狂気の歴史』『言葉と物』『性の歴史』など


14:ウィトゲンシュタイン(Ludwig Wittgenstein)[1889〜1951]

イギリスの哲学者。オーストリア生まれ。ケンブリッジ大学教授。論理実証主義・分析哲学の形成に貢献。

著書→『論理哲学論考』『哲学探究』


15:ハイデガー(Martin Heidegger)[1889〜1976]

ドイツの哲学者。キルケゴール・フッサールなどの影響のもとに、古来の存在論を問いなおし、基礎的存在論という独自の実存哲学を創唱。

主著→『存在と時間』など


16&17:クサンティッペ(Xanthippe)[生没年未詳]

ソクラテスの妻。じゃじゃ馬的悪妻ぶりを示す多くの逸話で知られる。


登場人物は、こんな感じです。
では次、非・人物名。


18:アテナイ(Athenai)

古代ギリシアを代表するポリス・アテネ。前8世紀ごろアッチカのポリスとして成立。貴族による支配が続いたが、僭主政治を経て前6世紀には民主制へ移行。ペルシア戦争勝利後はスパルタをしのいで繁栄。
前5世紀半ばには民主政治が発達、文化も最盛期を迎えたが、ペロポネソス戦争に敗退して衰亡。前339年にマケドニアに屈伏した。


19:アカデメイア(Akademeia)

紀元前387年ごろ、プラトンがアテネ郊外アカデモスの神苑に設立した学校。死後、その学派の名称となった。アカデミー。


20:プシュケ(psykhe)

「魂」の意。古代ギリシアでは、魂は死後肉体を抜け出し、冥府に住むが、血を飲むと語り出すとされていた。のちに人格化された乙女プシュケは愛の神エロスと結び付けられた。


22:プラグマティズム(pragmatism)

知識や観念の問題を行動との連関においてとらえ、その有効性を行動の面から規定する哲学的立場。19世紀末から主としてアメリカで形成された。パース・ジェームズ・デューイが代表者。実用主義。

2002.12.5

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