第3部 未来視たちの弁証法(表紙:申公豹)


第17回 空の兄弟

あああ、やっと名前が漢字で書けるー。ライちゃんこと雷震子の登場っ。
…あ、ライちゃんってのは、コーエーのPS『封神演義』の影響で。菱は知らん間にこう呼ぶようになってたのですヨ。ってことは結局漢字で書かないってことか?

師叔の水脈ダウジング。
地面に聞き耳で、地下水の流れる音が果たして聞こえるんだろーか? とか、そういうことは置いといて。せっかく賢いこと言うてるのにスープーのコメント「家庭内害虫」=ゴ○ブリ、ですか。はうう。
畑を溜め池にされちゃった農民が何とも…師叔、全然聞いちゃいねえ…。あ、でもその後李伸について師叔に忠告してるのも彼だね。イイ人だ。
李伸…登場時効果音(?)からして、いかにもな金持ちっぷり。殷にも王宮以外にまだこんな裕福な場所があったのか、といった感じ。
師叔を丸め込んで不老不死の秘密を聞き出したかったみたいだけど、結局のトコ師叔が一方的に利益を得たのかも(ライちゃんとの出会い&最高級の桃タダ食い(笑))。それにしても、不老不死になってまで金集めしたいもんかねぇ? 分かんないなあ、金に執着する人間の考えは。

ライちゃんは原作だと、実はナタクより楊ゼンさんより、それよか師叔よりも登場が早かったりする。姫昌さまが朝歌に向かう時に拾われた子だからね。
WJでも崑崙門下3番手で登場したんだから、それに今回から3話分も使って、しかも師叔に「会っておかねばならぬ気がする」とまで言わせたんだから、それなりの活躍を見込んでたんですけど…いや、まさか仙界大戦であんな目に遭うとは想像も出来なかった(哀)。ま、それは今後の話だし。


第18回 太公望・アフロになる

それにしても、どぉして「コウモリ」なんて設定になっちゃったんだろか、ライちゃんは。原作では「鷲」だったんだが…。しかも親分(と書いて「オヤビン」)だし。江戸っ子(?)だし。
それでもどこか、まだ子供子供した部分が残ってる感じ。正義のヒーローとか言ってるしさ。ほほえましい…。

李伸のヘタレぷりが、いかにも小心者の金持ちオヤジ。
しかし今回ライちゃんにとっ捕まって縛られて、そのあと登場シーンがない。
前回ライちゃんの特攻で屋根をぶち抜かれ足蹴にされ、今回は今回で屋敷の上空で風を起こされ雷を落とされ、池に師叔とスープーが落ち、更に勝手にタオルを使われ櫛も使われ(師叔、あまりに自然に人ん家使いすぎ…)。うっかり師叔を利用(?)しようとしたばっかりにひとり丸損。
結局この家と、この家にあった水はどうなったんでしょ??

今回の見所は、サブタイトルに完全に凝集されとるというか。
でも菱的にゃ、師叔のカミナリ様風(帽子の耳(?)がツノみたいなんで。)アフロよか、スープーのお蝶夫人風縦巻きロールに爆笑。口調まで変わってるぞスープー!! 二人とも、そーんな髪型で真面目な表情されても…

ところで。師叔はライちゃんのことを「人間界の者」「仙道でもない奴に宝貝は使わぬ」などと言ってますが…あの翼、飛翔能力、起風発雷を見てなお、まだ「ちょっと変わった普通の人間」だなんて思ってる、わけはないよね。何らかの仙人界の関与はいくらなんでも察知してるでしょう。ライちゃんの望む「対等な勝負」へ話を持っていくための布石とみた。
まあそれはそうとしても、きっと仙道であるなしは関係なく、ただ異能力者(=師叔曰く「変な奴」)を仲間に引き入れたいんでしょうかね。
ということは、ナタクも楊ゼンさんも「変な奴」か…うーん。


第19回 太公望ドーピングをする【WJ表紙+巻頭カラー+ポスター(太公望)】

この回の掲載号が、最初で最後のカラー企画3連発。表紙はナタク・楊ゼンさん・ライちゃん・飛虎さんの背景に師叔メイン。ポスターは崑崙山を背景にやはり師叔がソロ(単行本第1部の表紙ですね)。
この号の出た週が、ちょうど菱の高校の修学旅行の週で(年バレるがな)、旅行中に買って読んでる男子がどんなに羨ましかったことか(性別もバレるがな)。

「このパワー…やはりこやつ人間界の者ではない」って、ええっ、確信持ってなかったんすか!!? しかもポイントが飛翔能力とかじゃなくて「このパワー」って、そんなトコ(いやまあ並外れてはいるけど)なんすか!?
ところで師叔、初めての肉弾戦ですね。ドーピングしてるけど。
マルヒアイテム・仙桃。水を酒に変え(第2回参照)、そのまま食せば泥酔拳。ん? 仙人の日常生活にこれは役立つのでせうか。あ、でも「元始天尊さま直伝」って言ってますな。仙人の日常生活って…。
でも泥酔拳なしでも基本的に身軽だよね師叔。逃げ足の速さからして。ライちゃんを挑発して大技を出させ、リングアウトに持ち込むためだったのかな〜。4コマ漫画も(笑)。

ライちゃんの経歴&雲中子さま初登場。 
ほぼ原作に忠実ですが…雲中子さまが「変人(スプーキー)」呼ばわりなのと、思いっきし師匠に攻撃喰らわすライちゃんを除いて。
原作では雲中子さまは、妲己が宮中に入り込んですぐ、そのことにいち早く気付き真っ先に行動を起こして、危うく(?)師叔の登場前に妲己を退治しかけたすっごい仙人なのですよ。弟子の身体改造しちゃうお師匠さまって、原作ではこの後ざくざく出てくる(しかも崑崙サイドに)し、改造された本人も「これでより強くなった」という感じでむしろ感謝してるくらいなので、この師叔の一言につい「何も『変人』の一言で括らないでも…」と思ってしまいました。が、フジリュー版での以後の彼は、本当に「変人(スプーキー)」の名に愧じない(…)キャラに。
それにしても、ナタクといいライちゃんといい、フジリュー版の崑崙門徒は師匠とソリが合ってないなあ。とりあえず今のところは…。


第20回 太子二人

師叔の仲間集めは、とりあえずここで中断。殷の二人の太子・殷郊殷洪の脱走劇ですね。
しかしこの話、原作では四大諸侯の謀殺より早い段階で出てくる…というか、原因と結果がフジリュー版では逆転してしまってるというか。
そもそもは妲己が皇后の座に付く為、邪魔な姜皇后に紂王暗殺未遂の濡れ衣を着せて、拷問(片目抉ったり両手を炮烙したり…グロイ)の挙句死なせ、その余波を喰った太子たちを逃がすために方弼方相が朝歌脱走を図るも失敗、殺される寸前に太子たちは風に攫われる。で、無実の罪で殺された姜皇后の父である東伯侯・姜桓楚をはじめとする四大諸侯の反発を紂王が恐れ、先手を打って彼らを招きよせ殺害・幽閉してしまう……という、流れなんですわ。

今回の表紙がその太子たち。誰が名付けたのか(紂王か?)、二人とも同じ発音の名前…たぶん日本語に直したからそんなことになっちゃったわけで、中国語読みなら問題ないのでしょう。そういえばアニメ版はこの二人の区別にその手を使ってましたね。「インチャオ」「インホン」だったかな??
兄・殷郊ははっきり分かる紂王似。弟・殷洪は…おそらく姜妃似。しかし姜妃は死に顔しか出してもらえなかったから(哀)定かではない。
原作では14歳12歳ということになっとりますが、どー見てもそれ以上の年齢差な気が…。弟くんが幼すぎる。可愛いけどね。

太子達の旅のお供は原作どおり方弼方相兄弟。
妻を殺し、子をも殺そうとする紂王に義憤を感じ、太子達を抱えて後先考えずに朝歌を飛び出し東伯侯と南伯侯に助けを求めに向かう…とここまではカッチョイイこの兄弟、途中でいきなり太子達を見捨てて(もっともらしいことは言ってるけど結果的に)単独行動を強制し、自分たちはどこかへ去ってしまうという勢いだけっぷりを露呈し、原作再登場時にはこそ泥に成り果てているという有様。
しかしそんな奴らでも、見せ場を得たとはいえフジリュー版で妲己の手下にされてしまったのはそこはかとなく可哀想かも…。

ところで、師叔が臨潼関で難民を助けたという話(第15回)は、情報網を持つ妲己や飛虎さんだけでなく太子達までもが知っているコトなんですか。
彼は一応朝歌では罪人扱い+死んだことになっている(BY飛虎さん)はずなのに、そーんな目立つことしちゃって平気なんだろーか。
そしてよくよく考えれば、師叔はその難民事件の時に総兵・張鳳にとっ捕まってぐるぐる巻きにされたのに、それからずっと臨潼関の辺りをうろついてるわけですか。ということはライちゃんの一件も臨潼関周辺だった可能性大。
そして今回の事件
…臨潼関の城内荒らしまくりっすよ…更に訴えられるっすよ…??


第21回 太子二人 II  UP!

方弼方相の態度の豹変がモノスゴイです。「バカ太子」ってさぁ…。紂王と殷王朝にはこれっぽっちも忠誠を誓っていない感じがありありと。
やっぱし原作のほうがまだ「いいひと」だったかもな〜。

よく考えたら今回の戦いは、師叔が朝歌を出てから初めての「仲間探し」以外の戦いになるわけですね。しかし相手が原作的に大して重要キャラでもない…それを言ったら陳桐も同じか…ので、どうも書くネタがないような。
それにしても頼りなげな弟くんだ。原作では「私は死んでも構わないが、兄は皇太子だから見逃して欲しい」などと言うような子なんだけどなぁ。

今回、方弼方相が破壊しまくっている壁、最初は臨潼関の城壁だと思ってたんですが、よく見たらあれですね、内側に庭石っぽいのとか松の木っぽいのがあります…てことはライちゃんのときに続いて個人の邸宅の塀?? 哀れな。
それはともかくこの塀の高さ、方弼の身長の2倍はゆうにありそうなんですが。その妙なリアリティのある高さの屋根に、ひょいっと飛び乗りスタッと飛び降りる師叔は一体…身軽とかそういう問題じゃない気が。そしてバカでかい上超重量級のくせに同じことをしている方弼に至っては何がなんだか。
妲己がこの二人を派遣したのは「師叔の宝貝が方弼方相には効かないから」だと本人たちは聞かされているようですが、はて妲己のホントの狙いはなんだったんでしょ。太子たちを殺したいのか、師叔を殺してしまいたいのか。
大体からして方弼方相が師叔に相対し得る力量を持つと妲己が本気で考えていたとは思いづらいし、太子たちも師叔もこんなショボイ形でこの時点で歴史から消えてしまってはマズイ人物だってことは妲己も承知のことだろうから(ちょいネタバレ?)、今回の話は「他人の命を賭けた妲己の遊びの一つ」なんでしょうか。
となると、妲己の信頼を得ていると勘違いして、調子こいて師叔を追い詰めたつもりになってる方弼方相がますます哀れな。

スープーの囮作戦!!「後ろから見た図」がウケる。口調間違えて言い直してるのに結局元の口調に戻ってるし、かかしは上半身だけだし、そのシンプルすぎる顔の造作がまた笑いを誘う…。
このかかしに一瞬騙され、本気で追いかけようとしてる方弼方相のマジ顔がまたウケる。あんたら服しか見てねーっ!! だいたい、目くらまし使って逃げた人間がすぐ目の前にいたらそれだけで怪しいじゃん!! ちょっとは躊躇しなされ。
そういやこのかかしの着ている服、これは前回臨潼関の呉服屋(カルバンクレイン??)から貰ったもの?有効利用〜。

UPDATE→2004/5/5

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