こちらは、封神がかなりメジャーになってから(連載開始から1年半位?)、光栄版ゲームの発売に合わせて出版されました。 でも、同社から、「完訳 封神演義(上中下巻)」という形で一度、1995年に刊行されていて、これは、その完訳版の「再構成版」という位置に当たります。 「完訳…」の方も、安能版を手に入れて暫くしてから存在を知り、書店にあるのも見かけていたのですが、いかんせん、値段が…ねえ。 文庫になると知り、計算したんですよ。どっちを買ったほうがいいか。 結果、全7巻でも文庫の方がかなり安いということになり、こっちにしたのです…が!
なんと、読みやすく、分かりやすいように、いろいろと変わってしまった箇所があるようなのです。手元にないので、事実かどうかの確認はできませんが。 だから「再構成」なんですね。
内容だけでなく、他にもいろいろ変わったところが。 まず表紙絵!! 何が何だか分からない安能版とは大違い、繊細な描き込みが綺麗な完訳版(表紙絵だけは分かるんです。封神演義大図鑑参照)とは別の意味で違う美しいイラスト! なんと、光栄版ゲームキャラのデザインを行った、岡崎武士サマの描かれたイラストなんです! せっかくですから、各巻の表紙キャラ、ついでにサブタイトルも表にしてみます。
巻数No. |
サブタイトル |
キャラ |
1 |
蠱惑の妖女 編 |
妲己 |
2 |
憂悶の義士 編 |
太公望 |
3 |
真義の訣別 編 |
黄飛虎 |
4 |
十絶陣の悪夢 編 |
聞仲 |
5 |
破謀の東征 編 |
ナタ |
6 |
妖しの戦陣 編 |
楊セン |
7 |
崩落の皇城 編 |
紂王 |
最初の1、2巻は同時発売、その後はほぼ1月に1冊ペースで、最終巻はゲーム発売直前に書店に並んでました。 ゲーム雑誌などで、キャラクター紹介がされ始めたのが、確か4巻と5巻の間くらいの時期だったので、それまではこの本が一番早い情報源(キャラの)だった…ため、いろいろと勘違いもしたもんです。
中でも太公望は…。 菱は(「光栄の」ゲームなんだから、原作通りに来るであろう→太公望はじいさま)と思いこんでたんです。ゲーム発売決定の情報をキャッチしただけで、発売機種もジャンルも不明の時期だったのでね。 で、書店で並んで売ってる1、2巻を見て思った。 (1巻は…これは妲己だよな、間違いなく。2巻…こーゆーカッコいいキャラは楊センに決まってるよな。あれ、でもこんなに登場早かったっけー?) ……購入、帰宅して、表紙をめくって仰天したのは言うまでもなく。
ゲームキャラについては、ゲームの所で話しましょう。 では、「変わったところ」の続き。 話のところどころに、ストーリーに関係のある登場人物や霊獣・宝貝のイラスト+説明が入ってるんです。このイラストは、岡崎サマのではないのですが、カワイイし、かなり笑かしてくれます。 あとはですねー、各巻最終ページに封神新聞記事のようなのが、オマケでくっついてますね。自らストーリーの矛盾(というほどでないものもあるけど)にツッこむなんて…! あと7巻だけ、各登場人物が、何巻のどこで初登場したかetc.の索引がついてます。
ところで。 安能版と、結構食い違いがあったりするんですよ、これが。 元になってるお話は同じなんだけどね…? どうも安能版が、作者オリジナルのエピソードを相当書き加えているらしいのです。という話を以前どこかで目にしたような。 こちらは何と言っても「完訳」の「再構成」ですから、基本的なトコは変わってない、はず。
というわけで(?)、その照合をしてみたいと前から思っていたので、いいかげん始めようかと。 「優風堂」始めてから、1年以上ほったらかしだったし…(大汗)。 まず手始めに、時系列照合…つまり、年表作成。 これで大まかな流れがそれぞれ分かるはずだから、その後で加筆削除された箇所を探そうかな。 もし出来るならば、中国語の原作(菱は「原文原作」と呼んでいます)とも照合したいものです。 「再構成」でどの程度変わったのかも知りたいし。 |