将神の火焔陣

これ書くために、いつ買ったのか調べてたら、なんとびっくり第1志望の大学の試験日でした。98年2月25日。
そーいや試験受けた後、ヘコんだ気分を立て直すために購入したような記憶が微かに…(苦笑)

初めての前後編。〈天長編〉〈地久編〉となっております。
そのせいか、今までと比べてもうスケールが大きいわ、登場人物は多いわ。天界人界の滅亡の危機ですよ!!
それでは恒例、人物紹介。物語序盤の観点より、です。
物語が長めなので状況が変化していく人がいるんです(読んだ人は分かる)が、ネタばらしは避けたい。
しかしその路線で行くと、真のボス(?)が紹介出来ないんだよなぁ…うう。

楊慧瑛(よう けいえい)→楊三娘(よう さんじょう)とも呼ばれる、二郎さまの実の妹。黙っていれば見目麗しい姫君なのに、口を開けば韋護くんはおろかあの二郎さますら太刀打ちできない無敵な性格。大剣を使いこなす武術の腕も持つ。

李靖(り せい)→魏徴と同じく唐王朝の重臣・衛国公。字は薬師。魏徴が天界(道教)と繋がりがあるのと同様、西方(仏教)の代理人としての役目を負っている。

李淳風(り じゅんぷう)→天文地理を扱う太史局の次官・太史丞。口数が極端に少なく陰気な印象だが、驚異の的中率の予知能力を持っている。

焦伯燐(しょう はくりん)→ある目的のため、金に糸目をつけず古くさい物を買い集めている商人。朔曰く「蛙そっくり」にでっぷりと太っている。

焦子[王](←字が出ません…)(しょう しえい)→理知的な容貌を持ちながらそれとは裏腹な短斧の使い手。主・伯燐の指示であらゆる手を使い品物を集めている。

李少君(り しょうくん)→天界で二郎さまの前に現れた妖艶な美仙女。自分の色香に絶対の自信を持っている?

康(こう)→子[王]の部下。

だあっ、もうバラしてしまえ!! どーせ文庫本のあらすじ部分に書いてあるし!!(徳間文庫は。中公文庫はどーなんだろ?)
今回の敵は神農氏・すなわち炎帝だーっ!!

神農氏といえば、百草を舐めて毒か薬かを判断した、という話がありますね。中国古代の聖王の一人。封神演義(原作)にもちょこっとだけ顔を出してます。やっぱし薬関連で。何にせよ「いい人」が定位置。
そんな御方が敵役…。天帝を倒し、天界と人界の穢れを消し去り、全く新しい世界を創ろうなどという野望を…。
でも敵であることには違いないのに、何か「いかにも敵」といった風はないんだな、これが。不思議な。

慧瑛ちゃんの登場は新鮮でしたね〜。韋護くんと違い井上さんの創作キャラなんだけど(多分)、これ以上ないくらいに二郎さまの妹だよこの子。
関わる人間をいいように振り回すことにかけては二郎さまに匹敵…というかむしろ最強?? 翠心や燕児のかわいさとは別イミでかわいい。そしてカッコイイ。

上の紹介では書かなかったけど、今回初めてまともに(回想とかじゃなく)天界でのシーンが入り、そして天界の面々がぞろぞろ出てきております。
天帝をはじめ、西王母・太上老君・太白金星などなどお偉方から、二郎さま直属の部下達まで。
天帝陛下の意外な(マジで意外だった…)本性にビックリ。何と言うか、二郎さまと血が繋がってるだけのことはあるというか…あ、それを言ったら慧瑛ちゃんもか。

今回は割合、1巻『長安異神伝』と毛色が似てるかと思います。戦闘シーンが多め? それにプラス、頭脳戦・策略戦の要素。
策士が何人も出てます。皆それぞれ壮大な策を練って、互いの策を凌駕しようとするのですが…さて、最強の策士は誰なんでしょうね…??
恋愛要素ももちろんアリ。二郎さまと翠心だけじゃなく(二人がメインですが)、新たなカップル誕生の予感!?

後日、ネタバレありページ追加。

次巻予告。
第5巻・4作目は『還魂の花燈』。今回の前後編から比べると幾分大人しい感じのする話ですが、二郎さまと翠心の恋愛、という点から見るとものすごく重要なお話だと思います、いろんな意味で。
ニュー・レギュラーキャラ(と言ったもんかどーか…この後1話だけだから…)もおります。しかし、韋護くん・慧瑛ちゃんのような「華」には欠けるキャラだなぁ…はあ。

UPDATE→2002.11.8 

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